開業前

開業時は悪質な業者にご用心

突然ですが、私はシーバスリーガルと言うウイスキーにトラウマがあります。
それはタイトルにある悪質な業者に関係があるから。

その関係は後述するとして...

一般的に飲食店の開業には1,000万円くらいのお金が必要になります。
初めて開業される方にとっては、お店の内装業者さんや食材の仕入れなど、新しい取引が増える時期ですね。

が、ひょっとしたらその中に、皆さんの開業資金を狙う悪徳業者がいるかも知れません。

私たちが経験した悪徳業者の事件、少しでも皆さんの参考になればと思って書いてみたいと思います。

広告を見て信用してしまう

私たちが開業準備を始めたのが2002年の6月。
日本でワールドカップが開催されていた頃です。

物件は駅から徒歩8分と、恵まれた立地ではありませんが、私たちの夢が詰まった物件。
もともとは民家だった物件を改装するため、内装をスケルトンにして1から作り直す予定でした。4人で話し合った結果、決まったイメージはずばり「洞窟」。とても小さなお店だったので無理に広く見せるのではなく、洞穴の中で飲むようなワクワク感でいこう!という訳です。

ここで問題になったのが、内装業者選び。
当時は、インターネットもそんなに普及していなかったため、業者を探すのは飲食開業系の雑誌がメイン。当然、今のように企業のウェブサイトもなかったので、雑誌の広告を見て決めるしかありません。

今となっては詳細を思い出せませんが、雑誌の中で新規開業に丁寧に対応してくれそうな広告を見つけて問い合わせ。
後日、4人で業者の事務所へ行きました。
すっかり意気投合し、この業者に発注することに決定。
安易な判断かもしれませんが、当時の私たちは広告をしっかり出している会社に悪徳業者がいるなんて疑うことはありませんでした。

消えた数百万円

2回ほど簡単な図面を見せてもらったりして、数百万円を入金。
※金額を書くと生々しいので詳細は書きません。。

人生初めての大きな金額の発注だったため心配は尽きませんでしたが、そんな心配をよそに工事はすぐに始まりました。
入金後、2〜3日でお店の骨組みだけを残して解体工事が開始。

この頃は毎日1回、工事の進み具合を見に行くのが楽しみでした。

そして、解体着工から5日くらいして少し雲行きが怪しくなります。
毎日足を運んでも工事が進んでいるようには見えないのです。

すでにオープン日も決めていて、知人に多数の招待状も送ってしまってます。
前職の仲間たちから盛大に独立をお祝いしてもらっているので、後戻りは絶対にできません。

工事がストップして、数日はまだ連絡がついていたと記憶しています。
何やら色々な理由があってストップしていると。

さらにその後、数週間。ついに連絡が取れなくなりました。
そして、その業者から工事を請け負っていたという大工さんからは「支払いがされていない」と衝撃の連絡が。
目の前には骨組みだけになって放置された物件。

「騙された」

この時、確信しました。

悪い業者あれば、良い業者あり

騙されたことが確定したため、4人で緊急会議。
とは言ってもこれまで会議に使っていた店舗になる予定だった民家はもう骨組みしかありません。仕方なく、お店近くのコンビニ前の道路に座ってミーティング。

悔しいというよりも、何とも言えない虚しさがこみ上げてきました。それぞれ発する言葉もなく無言のミーティングが続きます。

そんな時、4人のうちの誰かが道路の前にウイスキーのボトルを置きました。
それがシーバスリーガル12年でした。コンビニで買ってきたようです。

買ってきた意図は分かりません。
まぁ前向きに行こうぜ、ということだったかも知れません。

途方に暮れながら真夏の昼間の路上で飲むシーバスリーガルは強烈でした。
当然、コップを買うお金すらもったいないので、ボトルの回し飲みです。
この日の一件から、シーバスリーガルを飲むとこの日を思い出してしまうので、シーバスリーガル12年は飲まなくなりました。

しかし、真夏の暑さとウイスキーにやられ、ようやくそれぞれが意見を出すように。

「撤退はありえない」
「わずかしかないけど、残ったお金で自分たちで作る」

これがその日のミーティングの結論でした。

翌日。
"自分たちでやるとは言ったけど、家の壁なんて作れないしな。。"
と、途方にくれていると、以前「入金がされていない」と連絡してきた大工さんから連絡が。

哀れで見るに堪えない私たちを心配してくれて電話してくれたようです。

「さすがにただでは出来ないが、とりあえず箱だけは何とかしてやる」
「厨房機器を買うお金も残ってないだろうから、厨房機器をとんでもない安い価格で入手する情報を教えてやる」との事。

悪い業者あれば、良い業者あり。です。

マイナス体験を武器にする

実は、この大工さんの助けが入ってからオープン直前までの1〜2ヶ月の記憶がありません。
死にものぐるいだったからなのか、絶望から救われた安心感からなのか。

そして日にちは過ぎていき、いよいよ知人を招待したプレオープンが2日後にせまった時。ついにお店が私たちに引き渡されました。

嬉しさいっぱいの反面、内装が一切されていない無機質な店内(というより室内)に強烈な不安を覚えました。店内には洞窟どころか厨房機器以外は何にもありません。

悩んでいる暇もないので、とりあえず何も知らない4人で洞窟っぽい内装を造るべく、セメントを練って壁に貼り付け。
塗料の選び方も分からないので、とりあえず「不燃」という点だけに注意してスプレーしまくって完成。

文字通り、不眠不休の2日間。突貫工事で仕上げた1号店でした。

騙されたままでは悔しかったので、逆にマイナス体験を武器にしようと考え、オープン後は「手作りで仕上げた洞窟型ダイニングバー」をいうキャッチを着けて、お客さまにPRしまくっていきました。

業者選びに困ったらご相談を

正に薄氷を履むが如く生き延びることが出来た私たちですが、こんな体験はできればするもんじゃありません。

「初めての開業で業者の知り合いもいないから不安」
「飲食内装の実績がしっかりしている業者が知りたい」

などのお悩みがありましたら、ぜひ同じ悩みを体験してきた私たちにご相談ください。
私たちの1号店、手作り洞窟風ダイニング。
こちらは当社の19号店の洞窟風エントランス。
やっぱりプロはクオリティが違いますねぇ。。

-開業前

© 2024 辻本誠事務所