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デザイナーに店舗の設計を任せるとどうなるのか?

昨日、創業話タイムラインというページをメニューに載せたのですが、私が書いてきた内容を改めて見てみると、創業して3年目以降の内容がほとんどないことに気づきました。

元々、このサイトはこれから飲食店を開業しようと考えている方向けの内容。
そのため、創業3年目以降の話に興味はないかな〜とも思いましたが、創業4年目にとても重要な体験があったので、今日はその時の話を書いてみようと思います。

ズバリ、「デザイナーに店舗の設計を任せるとどうなるのか?」という話。

出店ラッシュと同時にデザイナーと契約

1号店を開業してから4年目を迎えた2006年。
これまで散々苦労が続いてきましたが、この年から一気に攻めの経営に舵を切ります。

創業から4年間で合計3店舗の出店数だったものを、2006年の1年だけでさらに3店舗出店することにしたのです。

さて、そんな当時の私たち。
素人の集まりで起業をしましたが、さすがに4年も飲食店を経営してきていたので、ある程度の出店ノウハウはあるつもりだった訳です。

「俺たちの出店ノウハウに、強力なデザインセンスが加われば怖いものなし!」

そう考えて、4店舗目の出店で初めて「店舗デザイナー」と契約する事にしたのです。
これまで、私のサイトを読んできていただいている方は、今回の記事のタイトルからして、「デザイナーに任せて失敗した」という内容を想像している方がいるかも知れません。

でも、残念ながら違います(笑)。
デザイナーは素晴らしい仕事をしてくれました。

何度もミーティングを重ね、その内容を元に当時としては最先端だったCGで描かれた店舗イメージ図を提示してくれ、オープン後のイメージが手に取るように分かるような段取りを組んで進めてくれました。

「1号店の出店で業者に騙された俺たちも、ついにここまで来たか。」
「デザイナーと仕事をするなんて、一流の仲間入りだな。」
そんな心境でした(笑)。

結局、デザイナーとの仕事は順調に進み、2006年に出店した3店舗は全て「デザイナーズダイニング」と名乗れるほどオシャレな店舗となり、売上も順調なスタートを切ったのです。

訪れた転機

順調に出店を進め、順調に売上も上がっていた3店舗。
このままデザイナーとの出店が続くと思われた矢先、問題が発生します。

「設備のトラブル」です。

飲食店は上下水道や油を他の業界よりも大量に使用するので、設備のトラブルが起きやすいのが事実。過去に出店してきた3店舗と同様、この新規の3店舗も例外ではありません。

やはり、水回りのトラブルなどが出てきます。
すぐに対処しなければ、お店を休業しなければならず、売上を立てられません。
そこで、デザイナーと私たちの大きな価値観の違いに気づきました。

「デザイナーはお店の完成がゴール」

「私たちはお店の完成がスタート」
なのです。

そもそも、設備トラブルが起きることを前提に店舗の設計がされていなかったのです。
そのため、何か問題が起きると対処するのが非常に大変な造りになっていました。

お店の見た目の細部にまでこだわるのがデザイナー。
お店の見えない部分の造りにこだわるのが私たち。

どちらが正しいというわけではありません。
これは、飲食店を経営する人の価値観によるものでしょう。

ただ、私たちの場合はデザイナーと目指す方向が違っていたようです。
3店舗の出店以降、デザイナーに仕事をお願いすることは止めることにしました。

自分のこだわりポイントで業者を探す

この3店舗以降、私たちは違う業者さんに造作をお願いすることにしました。
設備のトラブルも視野に入れたお店づくりをしてくれるスペシャリストチーム。

そして、何よりも重要な店舗の設計は自社でやっています。
店舗スタッフの動線から商品提供スピードを考えた設備の配置。

自社で創るこだわりの設計を、私たちの価値観を理解してくれる業者さんが仕上げる。
こんな体制を作って、今では10年以上、合計20店舗の出店をサポートしてくれています。

出店をする際に重視するポイントはオーナーさんによって違います。

「何よりもコストを下げることにこだわるか?」
「とにかくデザイン重視か?」
「長く付き合える価値観を大切にするのか?」

これから開業される方には、ぜひご自身が大切にしたいポイントを見つめ直して、長くお付き合いできる業者さんに出会ってもらえればと思います。

自分たちで設計するようになってから2店舗目の店舗。
価値観の合う業者と組むことで店舗の完成度が高まっていきます。

 

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