開業前

不景気に飲食店を開業するのってどうなの?

飲食店を開業するタイミングっていつが良いんでしょうか?
開業を考えている方には悩ましい問題だと思います。

景気が上向いている時にスタートしたらうまくいくかも知れません。
じゃ、次に景気が上向くのはいつなんでしょう?
上向かなかったらいつまで経っても開業できません。

今の景気がどうなのかなんて後にならないと分からない

私たちが1号店を開業したのは2002年10月。
俗に言われるITバブルが派手に弾けて、世間はデフレ一色。

当時の街の停滞感を言葉で説明するのは難しいんですが、何というかどこを歩いていてもどんよりした空気が漂っていて、低価格を大々的に売り出している飲食店ばかりだった記憶があります。

参考までにこちらが日本の景気の推移です。(クリックで拡大)

内閣府発表資料より

これを見ると、私たちが創業した2002年は不景気のピーク。
逆に考えると、景気の底からのスタートなので、絶好のタイミングだったとも言えます。

じゃ、この時に景気の底だと予想したから開業したのかと言うとそうではありません。
そんなに頭が良いわけじゃありません。ただ、開業する準備ができたから。
景気がどうなるなんて会話を創業メンバーでしたこともありませんでした。

こうしてグラフで振り返ってみると、私たちの開業は絶好のタイミングだったと言えるかもしれません。でも2002年当時、周りから言われた言葉と言えば、

「こんな景気の悪い時に開業するのは無謀だ」
「不景気で大手でも苦戦しているのに飲食店の素人が成功するわけない」
「もっと景気が良くなってからの方が良い」

などなど。とにかく批判的な意見が多かったのを覚えています。
でも、今から2002年を振り返ってみると、景気の底のタイミングで開業するにはベストだったと言える訳です。

ちょっと前置きが長くなりましたが、今現在の景気が未来と比べて良いか悪いかは、後々になって分かる事。景気が良くなったら開業しよう、なんて言ってたら、そんなタイミングはずっと来ないでしょう。

結果的には不景気に開業したほうが良い

景気は後になってみないと分からないと書きましたが、結果的に開業したタイミングは不景気の方が良いと思っています。

理由は「シビアな収支感覚が経営のベースになる」から。
景気の良い時に開業した場合、その時点での収支感覚がベースになるため、不景気に対応するのは難しいでしょう。バブル時代に起業した会社の多くが不景気を生き残れないのは仕方ないことだと思います。

比較的影響が軽かったと言われている日本のリーマンショックですが、やはり先行き不透明感からの消費の減少の影響を受けて私たちの会社も業績が悪化し、2008年度は創業以来の事業計画未達成で終わりました。

かなりの業績悪化を受けましたが、もともと不景気開業型の経営だったため何とか立て直すことができました。

飲食店開業に「ベストタイミング」なんて来ない

長々書きましたが、結局開業のベストタイミングってその人の気の持ち方次第だと思います。
不景気を残念と考えるか、チャンスと捉えるかも人次第ですしね。

誰もがベストタイミングと感じられる様な時は、同時に競合も多くなります。
不景気ならばタイミングは悪いかもしれませんが、競合は少ないでしょう。

どのタイミングで開業してもメリット・デメリットがあります。
開業できる準備が整った時が、その人にとってのベストタイミングなんじゃないでしょうか?

人生の後悔のNo.1は「やりたかったけど、やらなかった事」だそうです。
不景気など外的要因などを気にすることなく、開業したいと言う想いを行動に移して後悔する事なんてないと思うのです。

 

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