開業後

集客方法を考える、その前に

駅から徒歩8分という不利な立地だった1号店。
でも、私たちはその立地を挽回する集客方法を秘策として持っていました。

その名も...「メールマーケティング」!
お店に来てくださったお客さまにメールアドレスを登録してもらい、お店の集客手段として使おうという狙いでした。
まぁ、今となっては情けないくらい古い手法ですが。。(笑)

2002年当時、飲食業界でメールによる集客をやっている会社はなく(少なくとも近隣の大手チェーンはやってなかった)、IT化の遅れていた飲食業界の中で最先端のマーケティング手法を使って立地の不利を挽回しようとした訳です。

結果は良好、しかし。。

私たちの秘策は成功しました。
「メールで情報送ってくれるなんて面白いね」
「お店の情報が分かって便利」
「飲食でこんな事やってるお店、見たことない」

お客さまの数は少なかったですが、新しい試みに興味を持って、皆さん快く登録をしてくれました。メールを配信する度に、「メール見たよ」と言うお客さまが来てくれたのです。

当時は嬉しかったですね〜。
正直、「どうよ、俺たちのアイデア」なんて思ってました。

でも、この秘策の効果は長く続きませんでした。
確か効果があったのはオープンから1年半くらい。

原因は色々ありますが、メールによる集客が珍しくなくなってきてしまったのが、大きな原因だと思います。もともと飲食業以外では当たり前だったメールマーケティングを飲食業に導入しただけだったので、長く続かないのは当たり前だったかも知れません。
効果はどんどん下がっていきました。

来てくれる方法よりも、来てくれた方へ出来ることを考える

結果的にメール配信は創業から2年くらいで止めました。

珍しい集客方法なんか考えるよりも、また来たくなるお店を考えようと方針を変えたのです。
メール配信の内容を考えるくらいなら、美味しい食事を一品考案しようという事です。

個人情報保護法が施行された事もあり、これ以降、私たちの会社はお客さまの情報は一切収集しない方針にしました。

まずは、一度ご来店いただいたお客さまがまた来たくなるお店を作る。
しっかりとリピートしていただける体制が整ってから、集客方法を考える。

飲食経験のある方なら当然なのかもしれませんが、私たちの場合は気づくまでにちょっと時間がかかりました(笑)。

今はLINEなどのsnsを使った集客方法もあり、2002年当時よりも集客する手段は増えました。
でも、集客だけに力を入れても長く続くお店はできません。
来ていただいたお客さまにリピートしていただける体制こそが一番の集客方法だと今はそう思うのです。


2003年当時、2号店の事業計画書、懐かしい。。
ここにもメール配信と書かれています。

-開業後

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