ふりかえりコラム 開業後

「無難なアイデア」と「多難な結果」

開業して間もない頃、私のお店が地域の人たちや街の競合から笑いものにされた経験はこのサイトで何度か書かせてもらいました。

今から思えば、集客方法、価格設定、店内設計、メニュー構成に至るまで、多少でも飲食業に関わったことのある人から見れば全てが非常識なのは一目瞭然。笑われて当然と言えば当然だったのかも知れません。

もちろん笑われて良い気がしなかったのは事実。
ただ私、当時は気づいていなかったんですが、この「笑いものになる事」は決して悪いことばかりじゃないな、と後々気づいたのです。

皆さんはこの、笑いものになる事の良い点って何だか想像つきますか?

認知されるのは難しい

周りの人たちから笑いものにされること。
この状態の良い点とは何なのか?

それは、例えどんな感情であれ、周りの人たちが「私のお店を認知した」というのは確かだということ。

「自分のお店の存在を認知してもらうこと」

お店がどこにあるのか?
お店の商品は何なのか?

商売をされている方なら実感されていると思いますが、集客で難しいのは、お客さんがお店の存在を「知ってて来ない」よりも、お店の存在を「知らないから来ない」という状態を抜け出すことです。

つまりお店の存在を「知ってもらう」ことが何よりも大切であり、それほど地域の人たちからお店の存在を認知してもらうのは難しい事なのです。

経営しているお店のテーブル席。
ここにも実は認知してもらうための工夫が隠されています。

無難なアイデアこそ多難を呼ぶ

「自分のお店の存在を認知してもらうこと」
これが集客の狙いであると考えてみると、冒頭に挙げた「笑いものになる」と言うのは、あながち間違いではなかったということになります。

もし当時、私が周りのお店を参考にして集客や商品を考えていたらどうなっていたのか?

きっと、笑われることのない無難なお店になっていたことでしょう。
ただ、それは笑われることがないのと同時に、認知もされないという結果になっていたと思うのです。

つまり「無難な選択」の先に待っているのは、「無難な結果」ではなく「多難な結果」だという事。

当たり前の話ですが、商売をする上で優先すべきなのは、笑われないようにする事よりも、利益を出すことのはず。にも関わらず、多くのお店がオシャレだけど他と似たような看板や商品を作ってしまうのは、無意識のうちに、この2つの順序が逆になってしまっているからではないでしょうか?

だからいま一度、利益を出すことを最優先においてお店の集客や商品を見直してみる。
そう考えてみると、たとえやってみたアイデアが笑われたとしても、結果的に注目されるのであれば、それは利益に近づいた事の証であり、決して失敗などではないと思うのです。

-ふりかえりコラム, 開業後

© 2020 辻本誠 ふりかえり分析家