熱い気持ちと高い理想を掲げて開業した1号店。
以前書いた通り、オープンは2002年の10月でした。
知り合いのご祝儀来店と12月の忘年会シーズンに助けられ、何とか2002年が終了。
そして、年が明けた2003年。
楽観的になり始めていた私たち4人に飲食店経営の厳しさが襲ってきました。
元々飲食店が売上を作りにくいシーズンという事もあって、私たちの売上は日を追うごと悪化していきます。
2003年1月に、オープン以来最低の月間売上を記録。
そして2月は1月にも増して売上が低迷していきました。
そして記録した1日の過去最低売上
「2630円」
お客さま来店数2名。
今でも悔しくて忘れることができない最低売上記録です。
挽回を期して外看板をリニューアル
売上の下降が止まらないため、営業終了後に4人で会議。
会議と言っても当時はほとんどケンカ状態でしたが...(笑)。
そして、出た結果が「外看板のリニューアル」。
会議した結果がそれかよ、と今では笑ってしまいそうですが、当時は真剣そのもの。
元々、1階店舗のメリットを活かして道路側はガラス張りにする予定でした。
が、悪徳業者に騙されて開業資金を持ち逃げされた事もあり、予算的にガラス張りはボツ。
道路からは店内が一切見えない無機質な壁一面セメント塗りになっていました。
(※悪徳業者の件についてはこちらに掲載)
看板をリニューアルするにあたっての当時の狙いは3つ。
1.店内の雰囲気が分かるように内装を掲載
2.とにかく安さを全面に出して、お財布に訴えかける
3.店内が見えない不安感を払拭するために4人の写真を載せて安心感を出す
看板のリニューアルは今回も私が担当することになりました。
当時の看板データが残ってないのが悔やまれますが、個人的には会心の出来栄えだったという記憶があります。
インターネット上で笑い者に
「看板をリニューアルしたら売上も上がるだろう」
飲食の経験がなかった私は単純にそんな風に考えていました。
ところが、練りに練った看板をつけたにも関わらず売上は引き続き低迷。
一向にお客さまは入ってきてくれません。
そして、開業以来あまり使ってなかったインターネットを使って、自分たちのお店の評判を見てみて驚きました。
「何なの、あの店(笑)」
「安いホストクラブらしい(笑)」
「ヤンキーみたいな人たち、怖いよー(笑)」
「誰か試しに行ってこいよ(笑)」
他にも色々書かれてましたが、ほとんどがバカにされている内容。
これは、本当にこたえました。。涙が出るほど悔しかったです。
ご来店いただいたお客さまに集中
さんざん叩かれまくって、笑いものになった看板ですが、結局そのまま使い続けました。
どのみち、作り直すお金もなかったですしね(笑)。
激しく落ち込みましたが、当時インターネットはADSLもまだそんなに普及してない時代。
インターネットでお店の情報を調べる人も少数でした。
書き込まれている内容もご来店いただいたお客さまの感想ではないので、悔しかったですが気にしないことにしました。
そんなネットの書き込みよりも、入りにくい外観にも関わらずドアを開けて入ってきていただいたお客さまに感謝しつつ、自分たちでできる最大限の接客をすることに集中していくことにしたのです。
この時に得た教訓「自分たちを客観的にみよう」
ネットで笑い者にされてしまったのは悔しかったですが、問題点は自分たちにありました。
ズバリ4人が「金髪 or 茶髪」だったことでしょう。
得体の知れないお店の前に金髪の男たちの写真が載っていたらどう思うのか?
当時の自分を激しく叱りたい気分です(笑)。
良くできたと思っていた看板は、ただの自己満足。
自分たちが伝えたいことだけを載せただけで、客観的に自分たちを見ることが出来ていなかったと深く反省しました。
うちの会社の新入社員研修で現在もやっているかは分かりませんが、初対面での外見で与える印象はとても重要。
実は私たちの失敗体験も踏まえての研修なのですねぇ。
今、うちの会社に当時の私が面接に来たら間違いなく落ちるでしょう。。
「自分たちを客観的に見てみる」、簡単な事のようですが意外に難しいのです。
創業後の1枚。
まぁ悪口を書き込まれても仕方がないと今は思えるのです。