自分対談

未来と過去の経営対談 第八回「モチベーションが上がらない」

辻本さんはどうして自分のモチベーションは意識しないんですか?

う〜ん、どうなんですかね。あまり考えたことないけど。
まぁでも、自分で会社始めてるんだからモチベーションなんていらないんじゃないんですか、普通は。

なるほど。
創業者はモチベーションが必要ないけど、社員には高いモチベーションが必要って訳ですね。

そりゃそうじゃないですか?
だから他の飲食業も、経営者が会社の理念やビジョンを語ったり、社員が夢を語る場を作ったりしてるんじゃないんですか?
まぁ、正直ちょっとやりすぎな会社も多くて、傍から見てると引く時がありますけど、笑。

じゃあ、他の業界ってどうなんですかね?
辻本さんは前職で営業マンだったと思いますけど、他の社員の前で自分の夢を熱く語ったりしてたんですか?

う〜ん、そう言われてみればやってないですね。そんな事。
確かに会社員だった時からモチベーションとかも考えたことなかったですね、自分の場合。

ほ〜。何でモチベーションが必要なかったんですか?

え〜、あんまり考えたことないですけどねぇ。。



あっ!もしかしたら。
営業マンだった時は自分の成績と待遇が明確だったからモチベーションなんていらなかったのかも。
やったらやった分、収入は増えるし、やらなかったらやらなかった分、収入が増えないのは分かっていたから納得感があったのかも知れないですね。

おぉ!良いですね。
私もそんな気がします。
そもそも、しっかりとした待遇や環境があれば、モチベーションを上げる必要なんてないと思いますよ。

確かに。。
あれ?でもちょっと待ってください。
モチベーションを上げなかったら業績も下がって、そうしたら更に待遇面とか悪くせざるを得ないんじゃないんですか?
そしてさらにモチベーションが下がるみたいな。
社内デフレが起きちゃいそうですけど。

いやいや、それじゃ辻本さんの仕事は何なんですか?
待遇面を考えることの前にやる事あるんじゃないんですか。

待遇を考えるよりやること?

あっ、そうか!
モチベーションを上げないと業績が上がらない事自体が問題なのか。
じゃあ、やった方が良いのは、無理にモチベーションを上げなくても会社が機能するビジネスモデルに作り直すことですかね?

そうだと思いますよ。
で、そのモデルと待遇をセットで整える。

おー、確かに。
なるほど、要は飲食業にやたらビジョンや夢と言った言葉でモチベーションを上げようとする会社が多いのは、そもそもビジネスモデルが成り立っていない事を社員のモチベーションでカバーしようとしている訳か。

そうそう。
モチベーションって何か実態がよくわからない分、使い勝手が良いじゃないですか。
だから、モチベーションなんて言う曖昧な意欲に頼ろうとするんじゃなくて、モデルと待遇を整えてモチベーションなんてものがなくても、機能する会社にしなければいけないんだと思いますよ。

確かに。。
でも、何で特に飲食店って、こういった社員のモチベーションに頼ろうとする会社が多いんですかね?

多分ですけど、小規模経営の意識のまま組織が大きくなってしまう場合が多いからだと思うんですよ。
スタッフの個人力に頼ったまま拡大していくと、拡大するほど1店舗当たりの売上が落ちていくじゃないですか。
本来ならそこでビジネスモデルを変えなきゃいけないのに、モデルを疑おうとはしないから、スタッフのモチベーションを上げることで業績を維持する方法を考えようとしちゃうんだと思います。

なるほど!よく分かりました。
変えるべきは、社員のモチベーションではなく、経営側のビジネスモデルですね。自分が恥ずかしいっすね、笑。
じゃあ、早速帰って、新しいビジネスモデルを考えてみようと思います。
あざっした!

ぜひチャレンジしてみてください。
これからの10年は企業側に厳しい10年になりますからね。
応援してますよ!

という訳で、今回の対談も無事終了の様子。
思えば、2010年からの10年間で雇用に関するルールは大きく変わりました。
これまでの10年同様、これから先もビジネスモデルを変えようとせずに、社員のやる気に依存した経営を続けるお店の未来は厳しいものになるでしょう。
変えるべきはスタッフの意欲ではなく、お店自体のビジネスモデル。
今回の対談が参考になれば、嬉しいです。

 

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