ふりかえりコラム

売上を伸ばすための両輪

飲食店は開業して数年内に9割が廃業すると言われる競争の激しい業界。
そのため、大きな夢を抱いてお店を開業してみたものの、期待していたほど売上を上げることができない。こんな状況に陥ってしまうお店は多いのではないでしょうか?

現に1号店を開業した頃の私は、まさにこんな感じでした。
自分なりに改善できそうな事を考えて行動してみてはいるものの、どうにも改善の成果を感じることができない。こんな状況になった時、私たちは何をすれば良いのでしょうか?

売上を作る2つの要素

私が考える、売上を作るために欠かせない2つの要素。
それが、「集客」と「商品開発」。

当たり前の話ですが、どんなに商品の価値を高める努力をしたとしても、その商品の魅力が地域の方たちに伝わらなければ売れることはありません。これはつまり、「集客」が足りていないという事。

一方、どんなに集客に力を入れたとしても、そこで販売する商品自体に価値を感じられなければ、当然こちらも売れることはありません。これは「商品開発」が足りていないという事。

ただ、実際に「期待していたほど売上が上がらない」という状況を目の当たりにした時、私たちはどんな行動を起こすのか?これは、私自身の反省も含めて書かせてもらうと、実は多くの人が「自分の得意な方を改善しようとしてしまう」のです。

私の開業時を例に挙げて考えてみるのであれば、集客を考えるのが得意だったので、商品開発の事は考えず、集客方法ばかりを改善しようとしてしまう、という具合です。
私は飲食経験がないまま1号店を開業したため、集客方法ばかりを考えてしまいましたが、逆に飲食経験豊富な方の場合であれば、本来は集客に力を入れなければいけないにも関わらず、商品開発ばかりに力を入れてしまうという訳です。

片輪だけ力を入れても成果は出ない

「集客」と「商品開発」。
私自身の直営店舗と、これまで開業オーナーのサポートをしてきた経験から振り返って考えると、この2つの要素は、どちらか一方だけに力を入れてもなかなか売上は伸びません。

商品力がなければリピートはされないですし、集客力がなければそもそもお店を使ってもらえない訳ですから、当然といえば当然。

そのため、冒頭に挙げた「期待通りに売上が伸びない」という現状を目の当たりにした時、私たちが考えるべきなのは、「自分のお店が弱いのは、集客と商品開発のどちらなのか」ということ。

「自分の強みを伸ばす」という考えは確かに大切だと思います。
ただ、売上を伸ばすためにはこの2つの両輪が機能していることが最低限必要であり、逆にこの2つが機能していない状態で自分の強みを伸ばそうとしても、両輪が機能していなければ効果を発揮できないということになる訳です。

どんなに速い車も片輪がパンクしてまっすぐ走れなければ、普通の車に勝つことは出来ません。お店の売上もこれと同じなのだと思います。
売上を伸ばそうと考えるのであれば、まずは両輪がしっかり動いている状態を作る。
その上に、自分の強みを乗せることでお店の売上をさらに伸ばす。

この順番をしっかり意識することで、車の速度と同じようにお店の売上もスムーズに伸びていくのだと、これまでの経験から思うのです。

 

店舗経営に関するご相談はこちら

-ふりかえりコラム

© 2024 辻本誠事務所