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飲食店開業で成功する人と失敗する人の違いとは?

飲食店の開業を考えた時、一番の心配事は「自分は成功できるのかどうか?」という点に尽きるんじゃないでしょうか?

何で突然こんな事を書いたのかと言うと、きっかけは昨日会ったオーナーさん。
3ヶ月前に開業されたのですが、業績がとても好調で、お客様がたくさん来てくれすぎてお店が回らない、と充実の笑顔で近況を教えてくれたのです。

いや〜、私の開業時とえらい違いで羨ましい限りです(笑)。

詳しく聞いてみると、既存のお客様のリピートと紹介だけで席が埋まってしまうので、広告宣伝費は全く使っていないそうです。

以前の記事でも書きましたが、「飲食店は3年で90%が潰れる」と言われます。
その一方、今回のオーナーさんのように忙しすぎるほどに繁盛しているお店があるのです。

そこでふと、「成功する人と失敗する人の違い」について考えてみた、という訳です。

自分は成功できるのか?
繁盛店になってバラ色の人生が待っているのか?
はたまた、借金を抱えて苦難の道を歩むのか?

開業支援を開始してからの1年半を振り返りつつ、自身の開業経験も踏まえて、飲食店開業で成功する人と失敗する人の違いについて考えてみたいと思います。

飲食店の開業を考えていらっしゃる方は参考にしてみてください。
※成功と失敗の定義が曖昧なので、今回は「1号店を軌道に乗せる」という事を成功とします。


お店にお邪魔してきた時の1コマ。
オーナーさんはかなりの手応えを感じている様子。

成功する人と失敗する人の大きな違い

私たちが開業支援事業を始めてから約1年半。
その間に開業のお手伝いをさせていただいたオーナーさんは合計8名。

全員が成功しているのかというと、実は違います。
うまく軌道に乗せることができずに閉店した方もいらっしゃいます。

現状、私たちの開業支援での廃業率は1年半で12.5%。
先程ご紹介したオーナーさんを含め、その他の支援店舗が順調に軌道に乗っていることを考えれば、一人で開業するよりも成功率はかなり高いと言えます。

そうは言っても、開業は単なるギャンブルじゃありません。
確率だけを信じて開業するなんて危険過ぎますからね。

これまでの開業支援と自分の開業経験から考えると、成功する人と失敗する人の一番の違いはズバリ「お金の使い方」にあるようです。

「お店が潰れる」とはどういう状態なのか?

成功と失敗を分ける大きな違いは「お金の使い方」というのが私の考え。

でも、そもそも、なぜ飲食店は潰れるのか?
・売上が悪かったからか?
・リピートしてくれるお客さんが少なかったからか?
・商品の満足度が低かったからか?

どれも正解のような気がしますが、実は違います。
上の例えが正解なら、未経験で始めてしまった私たちの1号店は潰れています(笑)。

私たちの1号店が最悪のスタートを切ったにも関わらず潰れなかった理由。
それは、「使える現金を残していたから」。

逆に言うと、飲食店が潰れる理由。
それは、「使える現金がなくなるから」という事です。

売上が悪くても、お客さんがリピートしてくれなくてもお金があればお店は潰れません。
1ヶ月間の売上が0円でも、現金があればお店は立て直せます。

逆に売上が1000万円あって、リピーターの方がたくさんいらっしゃっても、現金がなくなればお店は潰れてしまいます。

「現金がなくならないように、お金を使う」

何だか言葉に出すと、「そんなの当たり前じゃないか」と感じるかも知れませんが、これを実行するのはなかなか難しいのです。

開業時のお金は小出しに使う

現金がなくならないように、とは言ってもお店の運営・維持にはお金が必要です。

仕入れ、給料、水道光熱、家賃、広告。

開業すると、どんどんお金は飛んでいきます。
長い間、大切に貯めてきた貯金がすごい勢いで減っていくので、焦ってしまう方もいるかも知れません。

焦ってお客さんを呼ぼうと、ネットに大金を払ってお店の広告を出す。
お客さんの単価を上げようと、高価格の商品を仕入れる。
などなど。

焦るとついつい、自分の願望にお金をつぎ込んでしまいがち。
私たちが開業して全くお客さんが来てくれなかった時 、喉から手が出るほど試したかった事です。

でも、これをやっていたら間違いなくお店は潰れていたでしょう。
何の根拠もなく、広告や仕入れにお金を使うのはギャンブルのようなものです。
開業時の1万円は大金です。
何にお金を使うにしても、まずは少額でテストをしてみることをオススメします。

「きちんと成果を見ながら、少しづつ使うお金の額を上げていく。」

当たり前のようですが、焦った時にこの「お金の使い方」ができるかどうかが、1店舗目の成否を分ける違いなのではないかと思います。

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