開業後

「お客さんが来ない」という言葉が持つ危うさ

「いや〜、お客さん来ないね〜。」
この言葉、1号店を開業してから何回言ったか分かりません、笑。

お店を開業してからこの言葉を口にしたことがない人なんているんでしょうか?
もしいたら、羨ましい限りです。

以前の記事でも書いた通り、私の1号店が軌道に乗ったのは、開業して1年半後。

よくまぁ、1年半も軌道に乗らないのに続けたものだと我ながら思う訳ですが、実はこの「お客さんが来ない」と言う言葉自体に対して私が大きな誤解をしていたと気づいたのは、もっと後の話。

「もっと早く気付けていれば」という悔しさを込めつつ、これから店舗経営を考える皆さんが、私と同じミスをしないように当時の体験を書いてみたいと思います。

事業計画通りにやっても結果が出ない

「お客さんの集客をどうやるか?」
飲食店の開業を考える方で、これを考えない人はいないでしょう。

当然、私も事業計画でこの集客についてはよく考えていました。
・近隣へのポスティング
・チラシ配り
・メール配信
・会員制度
・ウェブサイト

開業した2002年当時はsnsもない時代。
そう考えるとなかなか頑張った方ではないでしょうか?

ただ、問題だったのは結果が出ないこと。
考えられる限りの手を打ったにも関わらず、お客さんが来てくれないのです。

当時の私と似たような状況のお店、結構あるんじゃないかと思います。

じゃあ、何が間違っていたのか?
実は何も間違っていなかったのです。

「来ない」のか?「来れない」のか?

考えられる手を打ったにも関わらず結果が出ないという当時の状況。
この状況の落とし穴は何だったのか?

その答えは「お客さんが来ない」という言葉の使い方の間違い。
当時の私のお店の状況を正確に言うなら「お客さんが来ない」だったのです。

集客の手を打っているにも関わらず結果が出なかった訳。
それは、圧倒的に告知の「量」が不足していたこと。
やっている内容は間違っていなかったのです。

1号店の立地は駅から徒歩8分。
その地域で一番駅から遠い飲食店だったにも関わらず、告知の量が足りていませんでした。

「いや〜、お客さん来ないね〜。」
この言葉は、お客さんがお店の存在を知ってて来ない場合に使う言葉。

お客さんは、お店を知ってて「来ない」のか?
お客さんは、お店を知らないから「来れない」のか?

自分のお店がこの2つのどちらなのかによって、やるべきことは大きく変わります。
そして、当時の私と同じように、お店の存在自体を知られていないにも関わらず、「お客さんが来ない」と考えてしまっているお店は多いのではないでしょうか?

「来ない」と「来れない」の違い。
たった一文字違いの言葉の使い方が、お店の取り組みすら誤らせてしまう危うさ。

的確な一手を打つためには、現状を正確に把握すること。
漠然と「お客さんが来ない」と考えているだけでは、いつまで経っても現状を把握することはできないのだと、今は思うのです。


2002年当時、洞窟をイメージした1号店。
私が「お客さんが来ない」とぼやいていた現場です、笑。

 

店舗経営に関するご相談はこちら

-開業後

© 2024 辻本誠事務所