「よし!飲食店開業の準備を始めよう!」
そう考えた時にまず取り組む事と言えば、事業計画書の作成でしょうか?
自己資金に基づく資金調達計画、店舗コンセプト、売上見込、利益予想などなど。
今ではネットを使って調べれば、欲しい情報がすぐ手に入る便利な時代。
おかげで、事業計画も昔に比べて圧倒的に早く作れるようになりましたね。
ただ、一方で「この情報って本当に信用して大丈夫か?」
という違和感を感じる情報が流れているのも事実。
その中でも、特に違和感を感じるのが「FLコスト」と呼ばれるもの。
飲食業での開業を考えている方ならご存知かも知れませんが、原材料と人件費の事。
そして、売上に対してこのFLコストが締めるパーセンテージで、飲食店の経営が健全かどうかを判断するというもの。
恐らく「FLコスト」とかで調べると、どこも似たような情報が出てくると思います。
ただ、この内容がこれまで飲食店を出店してきた経験からすると非常に違和感があるのです。
これから飲食店の開業を考えている方の参考になればという事で、私たちのFLコストについての考え方を書いてみました。参考になれば嬉しいです。
Fが30%、Lが25%というのは適正なのか?
FはFOODのF、原材料費のこと。
LはLABORのL、人件費のこと。
インターネットを見ていると、どうやらFが売上の30%、Lが売上の25%くらいが適正という内容が大半のようです。
でも、これを信じて事業計画を作ったら安心なのかというと、ちょっと違う気がします。
というのも、飲食業の適正値という事は、「他の飲食店と一緒」と言ってるようなものだから。
1号店の開業時、知識のなかった私たちはフードの原価率を全て30%で設定して価格を決めたことがあります。結果、全くメリハリのないメニュー価格になってしまいました。
まぁ、例えはいまいちでしたが(笑)、他の飲食店と同じ原価率と人件費に設定してしまったら、その時点で飲食店としての特徴を出すのが難しいんじゃないかと思うわけです。
そして、現にこれまで16年、飲食店を出店してきた私たちも、こんな比率じゃありません。
開業時はブレ幅が大きいから、細かいことは気にしすぎない
また、初めての開業は想定外の事が色々起きるでしょう。
私たちは計画が甘く、想定外ばかりでした(笑)。
「売上が予想していたよりも悪い」
「思っていた以上に人手が必要」
こんな事がよく起こります。
特に開業時は、お店のオペレーションも完成していないケースが多いと思うので、人件費は上がりがちだと思います。
ただ、このオープニングという大切な時期に細かいFLコストなんかに縛られて、人件費を削ってお客様をお待たせしてしまっては先がありません。
開業時はブレ幅が大きいので、細かいことは気にしない。
(※当たり前ですが、現金が続く範囲内での話です。)
それくらいの気持ちでちょうど良いような気がするのです。