開業前 開業後

「広告宣伝費」って実際いくら必要なのか?

2017年の2月、この起業支援の事業をスタートしました。
それから約1年、今月末の時点で合計5店舗の新規開業をお手伝いすることができました。とても刺激ある1年だったな〜と思います。

この仕事をはじめてから、開業を検討されている方の収支予測を見せてもらうことが多いのですが、そこで驚くことが多かったのが、タイトルにある「広告宣伝費」の予算について。

とても多額の広告宣伝費を計画書に盛り込んでいる方が多いのです。
毎月5万円から多いケースで30万円。

「皆さん、ずいぶん広告費多めに設定してるんだな〜」

と、気になったので自分の開業当時の事業計画書の広告宣伝費を調べてみました。
開業4ヶ月前に作った計画書。細かい収支予測が書き込まれています。

皆さんと同じでしたね(笑)。
毎月6万円を想定してたみたいです。

では、実際はどれくらい使っているものなのか?
ざっと、うちの会社の1店舗あたりの広告宣伝費を計算してみました。

結果、年間約30万円、1ヶ月あたり2.5万円。
かなり宣伝費が抑えられていますね〜。

「じゃ、毎月約2〜3万円づつくらい使えば良いのか」
というと、そういう訳ではありません。

実際の広告宣伝費の使い方をもうちょっと書いておきます。

広告宣伝費は定額で考えない

広告宣伝費の考え方をネットで調べると色んな結果が出てきます。

売上の◯◯%が最適。
利益が出た分の◯◯%を次の宣伝の投資に充てる。

などなど。正直、実際に経営している側としてはどれもピンと来ません。

なぜピンと来ないのか?
それは、広告宣伝費が毎月定額で使う前提で書かれているからだと思います。

参考までのうちの会社の毎月の内訳の一部がこちら。
約20店舗の合計分。左から4月、5月、6月。

月によって広告費が大きく変動しています。
年間を通してみてみると、ほとんど広告費を使わない月は5千円程度。
使う月は7万円くらい使っている月もあります。
月によって約14倍くらい違いがあるっていう事ですね。

広告の効果が見込みづらい時期は広告への投資を抑える。
効果が出やすい時期と判断したら一気に広告費に投資する。

毎月定額で広告費を使い切ってしまうと、ここぞという時に大きな投資ができずに大きな機会損失になってしまうという訳です。

ただ、収支計画を立てる上で毎月の広告費を組み込んで置かなければいけないのも事実。
これは、いくらでも良いかも知れませんが開業当初であれば5万円(個人的には3万円でも良いと思う)で十分だと思います。

その広告費は毎月使い切るのではなく、必要な時が来るまで使わずに残しておく。
そして、勝負に出る時が来たら、残しておいた広告費を一気に使う。

広告費は毎月定額で使うと考えないほうが良いでしょう。

開業当初は広告費0円でも良い

私たちの場合、開業当初に広告宣伝に使うお金がなかったので、しばらくは広告を全く出せませんでした。
でも、開業当初に広告を出してしまっていたら、逆に危なかったな〜と思います。

リピートしていただけるモデルがなかったからです。
モデルが出来てないうちに広告を出してしまったら、お客さまの期待に応えられず広告が逆効果になってしまう可能性もあります。

以前、ローカル駅で開業する時に絶対にしてはいけない事で書きましたが、開業当初にいちばん重要なのは「来ていただいたお客さまに満足していただき、リピートしてもらうこと」だと思います。

お客さまにリピートしていただけるモデルがしっかりとできてから広告費をかけても遅くはありません。
特に開業当初は運転資金をしっかりと確保しておく必要があるでしょう。

集客に焦ってむやみに広告にお金を使ったりせず、お店の状況を見て少しづつ投資を増やして効果を見つつ、自分たちのお店で効果の高い広告宣伝を探していくのが一番だと思います。

開業時の広告宣伝費を考える上での参考になれば嬉しいです。

-開業前, 開業後

© 2024 辻本誠事務所