商売を始めてから初めての冬を迎えた頃だったと思います。
年末年始は外食する機会が増える人も多いため私のお店も多少は盛り上がったものの、1月も中旬になるとお客さんの数は激減していきました。
そんな事態を目の当たりにして急遽取り組んだのが、最寄り駅前でのチラシ配り。
正確な期間は覚えていませんが、恐らく1ヶ月ほどは毎日駅前でチラシを配っていたんじゃないかと思います。
「これだけ配っているんだから、お客さんも増えるはず」
そんな予想を立ててはいましたが現実は私の期待通りとはならず、むしろ2月に入ると一層お客さんの数は減っていきました。
つまり、集客に力を入れているはずなのに、効果が感じられない訳です。
この状態は商売で苦戦する方の多くが経験することではないでしょうか?
「集客の効果がない」が意味することは?
「チラシを配り続けているのにお客さんに来てもらえない」
この事実に直面して、私のお店が次に取った行動。それが商品の見直しでした。
集客が上手くいかないという事は、宣伝している商品が悪いからではないか、というのが当時の私の考え。
そこで、急いでフードとドリンクの季節限定メニューを導入し、店前に看板も設置。
当時の私の頭の中では、これで集客は徐々に増えていくはずでした。
でも残念ながら、商品を変えてもお客さんの数が増えることはなかったのです。
商売に欠かせないのは、「集客」と「商品」のはず。
にも関わらず、集客と商品改善に取り組んでも私のお店の集客が増えなかったのはなぜなのでしょうか?
私が見落としていたもの
集客をやってみても、商品を変えてみても現状が変わらない。
当時の私は、この状況を打開する方法が分からず、結局1年以上も集客に苦戦し続けることとなりました。
でも、今から振り返ってみると、私のお店の集客が増えなかった理由はよく分かります。
その理由というのは「商品の質」が悪かったからではなく、「集客の量」が圧倒的に少なすぎたから。
「2~30人にチラシを貰ってもらえれば、1組くらいは来てくれるだろう」
これが当時の私の見込みでした。
ただ、お店の立地の悪さ、知名度のなさ、チラシのクオリティから考えれば、この見込みは甘すぎると言わざるを得ません。
そして、当時の私と同様に、地域のお客さんにお店の認知をしてもらう取り組みが足りないまま集客を諦めたり、商品を疑ったりしてしまうお店は意外と多いような気がします。
チラシに限らずウェブ上で見かける広告も、私たちは目にしているそのほとんどを覚えていません。
つまり「チラシを見た、広告を見た=認知をした」という訳ではない、ということ。
「自分の商売は対象となるお客さん達に認知されているのか?」
「認知度が低いままなのに商品を疑っていないか?」
この「集客の量」という部分にもっと早く気づいていれば、自分の商売が軌道に乗るのも早かっただろうと感じると同時に、この経験の共有が少しでも皆さんの商売の役に立てば嬉しく思うのです。