このサイト、これから飲食店開業される方に同じ失敗をして欲しくないから書いてます。
でも流石に失敗の話ばかりで、読み返してたら私が暗くなってきました(笑)。
という訳で今回はちょっと明るい話を。
「失敗談を読みたい」という方は読み飛ばしてください。
1号店に見えた出口の光
2002年10月に開業した1号店。
何度も書いてますが、場所は駅から徒歩8分という、かなり不利な立地。
その立地に加えて私たちが未経験だった事もあり、長く利益がでない時期が続きました。
それでも諦めず、店内の整理整頓と言った小さな改善から、メニューの試行錯誤まで。
さらに全然お客さまも来ていないのに、お客さまがご来店いただいた時をイメージしてお出迎えの練習をしてみたり。
真剣にやってましたが、これは結構虚しかったです。
しかし、そんな取り組みの成果がついに出始めます。
2004年3月。
開業から1年半、1ヶ月のご来店数が870人を記録。
飲食店をやってる方なら大したことない数字かもしれませんが、これは私たちにとっては衝撃的な数字だったのです。
最悪の時期には1日2名しかご来店いただけなかった1号店。
それが1日平均で29人もお越しいただけるお店に。
この時は創業から1年半の苦労が吹っ飛んで、本当に泣けてきました。
「ついに長いトンネルの出口が見えた」
そんな気分だったのです。
入れないお店として口コミに
2004年3月に870人のご来店数となった1号店。
その後もご来店の流れは途絶えませんでした。
毎月750人以上のご来店をキープし、しっかりと利益を取れるお店へと変貌を遂げたのです。さらに、人が人を呼ぶのか分かりませんが、22席しかないながらも夜の時間帯は毎日ほぼ満席状態。
店内で自由に立ち飲みする人、2人掛けテーブルで10人くらいで宴会する人たち、食材を保管するストッカーをテーブルにして座ったりする人たちも現れて、週末の店内はカオス状態。
あまりに席が足りないので、厨房の中で飲もうとする人まで出てくる始末(笑)。
この頃は毎日、営業中というより戦闘中という言葉がぴったりで、最高に楽しかったです。
また、正確には覚えてませんが、開業時に叩かれたネットの口コミには嬉しい投稿も増えていきました。
「何であんなに駅から遠いのに混んでるの?」
「いつ行っても入れない」
「今日はやっと入れた」
いつの間にか地域の人気店に仲間入り出来ていたのです。
お金がなくて良かったかも
結果的に人気のお店になることができた1号店。
振り返って見ても、何か特別な集客方法があった訳じゃありません。
(以前書いたメール集客もこの頃は効果がなくなっていました)
むしろ、この頃はご来店いただいたお客さまに集中することが第一優先事項だったので、外に向けての集客活動は一切していませんでした。
やっていたのはひたすら接客についての議論&実践、地道なメニュー開発。
まぁ、メニュー開発に関しては、調理が苦手な私は味見専門でしたが。。
後は、ちょっとのユーモアですかね?笑いがないお店って息苦しいですしね。
当時の私たちは「地道な改善こそ大切」なんて謙虚に思っていたわけじゃありません。
単純に集客に使えるお金がなかったので、地道な改善しか選択肢がなかったのです。
お金があったらジャブジャブ広告宣伝費使いたかったです(笑)。
でも、結果的には当時はこれでちょうど良かったのかも知れません。
地道な改善を見てくれていたお客さまたちにお店を気に入っていただき、毎月リピートしていただく事でお店が何とか存続する事ができたわけですから。
お金に余裕があったら、お客さまにお店に来ていただくことの大変さを学ぶこともできなかったでしょう。
開業時に資金に余裕のある方なんてほとんどいないと思います。
お金がない中でどうやってお店を宣伝し、人気を獲得していくのか?
それを考えるのが創業時の仕事の苦しみであると同時に、一番タフなやりがいでもあると思うのです。
今日は失敗談ではなく、明るい話に付き合っていただきありがとうございます。
営業(戦闘)開始前の1号店カウンター(2004年当時)。
毎夜、ここでお客さまとの壮絶な会話のバトルが繰り広げられていました(笑)。。