開業準備のお手伝いをしている時に、かなりの頻度でこんな事を聞かれます。
「レジってどうしたら良いですかね?」
「レジって必要ですか?」
そんな時、私はこんな風に答えています。
「レジは絶対に入れてください。」
まぁ、当たり前ですね(笑)。
税務的にも、ないとかなりマズいです。
そして、ついでにこんなおすすめもしています。
「無料でpos機能が付いたレジアプリがあるので、それが良いですよ。」
2002年の1号店開業以来、私たちは大きく分けて3パターンのレジを使ってきました。
そんな中で、私が感じてきた各レジの印象や、開業時にオススメしている無料のアプリも説明してみようと思います。
開業時のレジ選びに悩んでいる方、参考にしてみてください。
開業当初は9800円のレジ
開業時は、とにかくお金がありません。
「レジなんか買うのにお金使いたくないな〜」というのが当時の私の正直な印象でした。
ただ、税務署への申告などで毎日の締めデータはあった方が良いだろう、という事で渋々レジを購入することにしました。
当然探すのは最安値のレジ。
そして見つけた、当時最安値のレジはこんな感じでした。
値段は9800円(だったと思う)。
開業当初は1店舗のみなので、これで十分でした。
ただ、このタイプのレジの欠点は、やはりpos機能が付いていない事。
何が売れて、何が売れなかったのか、さっぱり分からないのです。
付いていた機能と言えば、日次の締め機能と、その日の売上途中データ。
どうでも良い話ですが、当時は毎日が売上の厳しい日々だったので、1日に何回も売上の途中データを確認していました(笑)。
このレジは1号店開業の2002年から2009年頃まで、約7年。
店舗数で言うと13店舗目くらいまで、このレジで店舗運営をしていました。
今思うと、pos機能なしで13店舗も良く運営できてたな〜、とちょっと感心してしまいますが、インターネットが普及している現在で、こんな経営をするのはオススメできません(笑)。
2009年、システム投資の段階へ
店舗も増えてきた2009年、私たちは新しいレジシステムへ投資することに決定。
以前、家業から企業へのジレンマという記事の中でも書きましたが、企業は成長していくサイクルの中で投資しなければいけない対象が変わってきます。
簡単に書くとこんな感じ。
販促→採用→教育→環境整備→システム
2009年当時、店舗が増えているにも関わらずposを導入していなかったため、各店舗の売上以外のデータが全く分からないという、異常な状態になってしまっていました。
システムに投資しなければいけない段階に来ているのは確実。
ただ、システム導入を先送りしてきた理由は何と行っても、大きなコスト。
当時はiphoneが出たばかりの頃で、posアプリと言うものもなく、「posの導入には大きな投資が必要」というのが当たり前でした。
「posを導入できたら一人前の飲食店」みたいな風潮もありましたね(笑)。
事実、私たちがposを導入した際にかかったコストは、初期費用が1店舗当たり約30万円。
さらに毎月1店舗当たり、5000円の月額コストが必要になる計算。
頭では必要なのが分かっていても、すぐに売上に直結しないシステムに500万円を投資するというのは、なかなか勇気がいるものなのです。
ただ、将来的な成長を考えた時には避けて通れないと考え、思い切って導入。
こんな感じのposシステムでした。
9800円のレジに慣れていた私にとって、このposシステムは衝撃的でした。
商品ごとの出数分析や、各店舗の売上達成率などがリアルタイムで分かるのです。
まぁ、それがposなんで当たり前なんですが(笑)。。
500万円という、当時の私たちにとって大きな投資でしたが、投資を無駄にしないよう徹底的にposを使いこなし、投資した分の会社の成長は十分にできたと思います。
私たちは飲食業なので、他業種のシステムはあまり詳しくありませんが、アパレルなどでは現在でもこのタイプのposが主流なんじゃないかと思います。
(間違っていたらすいません。)
こんな感じで、私たちの会社の成長を大きく手助けしてくれたposでしたが、導入して4年くらいすると、ちょっと困った点が出てきました。
・windowsのosが古くなるにつれて、システムの動きが遅くなる。
・飲食業界向けではないため、各テーブルの会計という概念がなく、お会計に時間がかかる。
などなど。
このままこのposシステムを使い続けて良いのかどうか、判断に悩む時期に来ていました。
posシステムもアプリとクラウドの時代に
2009年に導入した設備が古くなり、買い替えが必要になってきた2013年ごろ。
まだ、メジャーではありませんでしたが、一部の企業がposをiphoneやandroidのアプリとしてリリースしてきました。
posアプリの強みを例に上げると、
・設備を購入する必要がないので、初期費用がかからない。
・月額課金モデルなので、導入しやすい(1店舗のみの場合は無料)。
・サーバー上で会計を処理するため、動作が重くなりにくい。
・バージョンアップがどんどん開発されるので、使い勝手が良い。
などが挙げられます。
2013年当時、まだ信頼性という面ではやや不安のあったposアプリでしたが、今後の利便性を考えるとposアプリの方が成長していく可能性が高いと考えて、段階的にposアプリに切り替えていくことを実施。
結果的に、基本機能は無料というサービスも多く、導入しやすいことからもposアプリは飲食業でもかなり主流になってきている印象です。
これから飲食業の開業をお考えの方で、できるだけレジの設備は安く抑えたいという方は、posのアプリを導入することをオススメします。
はじめにipadや専用のプリンターを購入する必要があるというデメリットがありますが、9800円のレジやwindowsのposに比べたら、コストパフォーマンスは圧倒的に高いと思います。
ちなみに、私たちが開業支援を行っている店舗で使用しているposアプリは「スマレジ」か「Airレジ」のいづれかとなっています。
無料のposアプリからスタートすることで、皆さんの開業費用が少しでも抑えられれば嬉しいです。