1号店を開業して、1年くらい経った頃の事だと思います。
私はある事に頭を悩ませていました。その悩みというのが、
「早い時間にお客さんが来ない」
という事。
当時、私のお店のピークタイムは大体22~23時。
お店のオープンは17:00だったため、17時から22時までの間はほとんどお客さんに来てもらえず、この時間に集客できるかどうかがお店の業績を大きく左右する状況だった訳です。
そこで思いついたのが、「数量限定メニュー」や「早い時間だけの割引」。
早い時間の集客に悩んで、当時の私と同じ様なことを考えるお店は少なくないと思います。
でも、今から振り返って考えると、こうした取り組みで早い時間の集客が増えた記憶は全くなく、ほとんど全てが効果がなかったように思えるのです。
お店都合の集客は上手くいかない
数量限定や早割でも早い時間の集客が増えなかった私のお店。
結果的に、それから半年くらいが経って早い時間の集客もできるようになったのですが、その理由は限定や早割といった取り組みの成果ではなく、全く別の要因だったのです。
そして、その要因というのが「ピークタイムだと満席でお店に入れないから」ということ。
つまり、お店の取り組みで早い時間に来てもらえるようになった訳ではなく、お客さんの意思で早い時間に来てもらえるようになったという訳です。
限定や早割での集客を考えていた頃、私のお店はピークタイムでも必ず満席になっているという状態ではありませんでした。
その状態でも早い時間の集客を増やそうと考えたのは「できるだけお客さんに分散して来てもらった方がお店側も商売がやりやすい」という考えが自分の中にあったからだと思います。
ただ、今から考えるとこうしたお店側の都合でお客さんに来てもらう時間をコントロールしようとするのは難しく、もし早い時間に来てもらいたいと思うのであれば、それはお客さんが自ら「早い時間に行かなければ」と感じてもらう必要があったということです。
アイドルタイムの売上を作るのはピークタイム
私たちは商売をしている中でふと、「一日を通して平均的にお客さんに来てもらえるように」と考えてしまいがちな気がします。
でも、実際にはお客さんがお店を使いたくなる時間は重なっている以上、私たちがやるべきなのは「まずはピークタイムに必ず満席になるお店を作ること」であり、その結果として「自然と早い時間にお客さんが来てくれるようになる」という流れを作っていくのが正しい集客の流れではないか、と今は思うのです。