自分対談

未来と過去の経営対談 第12回「みんな安売りしている、という勘違い」

辻本さん、さっき「みんな安売りしている」って言ってたじゃないですか。

ええ、言いましたね。

そこが辻本さんが無意識に騙されちゃったポイントのような気がするんですよ。

なんなんすか?それ?
回りくどいのはいいんで、早く結論教えてくださいよ。

回りくどいって、失礼ですね(笑)。
じゃあ私の感じたことを言わせてもらうと、辻本さんが感じた「みんな」っていうのが、実は「みんな」じゃなかったかも知れない、って事です。

出た。やっぱり疑ってるじゃないですか、僕の話。

いやいや、疑ってないですよ。
話を聞かせてもらって感じたんですけど、もしかしたら辻本さんが価格を考えていた時に「安い方が売りやすい」っていう仮説が辻本さんの中にあったんじゃないか、って思ったんですよ。

ほら、あれって聞いたことありません?
「カラーバス効果」っていうやつ。

カラーバス?
なんか聞いたことあるような、ないような。

あれですよ、「人は自分が意識している情報を無意識に集めるようになる」みたいな感じの。
赤い色を意識すると、普段は見落としていた街中の赤いものが目に入ってくるようになるっていうやつ。

あ~、ありましたね。そんなの。。
・・・
ん?という事は、僕が「安さ」を意識していたから、無意識に安売りしているお店の情報ばっかり集めて「みんな安売りしている」と思っていたっていうことですか?

あくまでも、その可能性があるんじゃないか、っていう。

う~ん。。
確かに内心「立地が悪いから安くしないとダメかも」っていう気持ちはあったかも知れないですね~。

だとすると、今後は高価格帯のお店を意識して街を歩いてみる、っていうのもいいんじゃないですか?何か新しい気付きがあるような気もしますしね。

そうか~。
まぁ、今までの延長でやり続けるのは難しそうだし、すぐに改善策は見つからないかも知れないけど、やってみる価値はありそうですね。

そんな視点で見てみたら、意外と自分が思っていた「みんな」が「みんな」じゃなかったなんて事もあると思いますよ。

よし!
分かりました!
ちょっと戻って、街中を歩いてみようと思います。
ありがとうございました!

是非、試してみてください。
上手くいくといいですね!
応援しています!

という事で、今回の対談は終了。
私たちはつい、自分が信じたいものを「みんな」という一括りにして捉えてしまいがちな気がします。
でも、現状を変える時に必要なのは、そんな自分が無意識に身につけてしまっている「カラーバス」の存在を疑い、意識して新しい視点から商売を見つめることなのかも知れません。

では、次回の対談もお楽しみに。

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